ネットワーク コミュニケーション ルール

ネットワーク コミュニケーション ルール


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ルール1 機械の向こうに人間がいることを忘れない

 電子的なコミュニケーションでは、見えるのはコンピューターの画面だけです。顔の 表情、身振り手振り、声の調子で表現することができません。書き言葉がすべてです。 そして交信相手もこの条件は同じです。ネット上でメッセージを書き込む場合、その手 軽さや簡単さ、そして相手の顔が見えないことから、残酷な言葉で相手を傷つけたり悲 しませるような事が時々発生します。

 ある種の人々は車のドライバーになると人格が変わったように威圧的な振舞いをしま す。他のドライバーに悪口を浴びせたり、不快なジェスチャーを見せたり、乱暴な行動 をするドライバーがいます。しかし、その様な人達でも、家族や友人の前ではそういっ た振る舞いはしないでしょう。機械に向かうとこうした行動が現れるのでしょうか。

 メッセージを打ち込む時、その言葉や文章が「本人に面とむかって言えるか」と自問 自答してみてください。そして書いた後、もう一度読みなおしてみてください。実際に 本人に面と向かって言う内容として適切と思えるまで繰り返してください。
 昔の言葉に「三寸の舌に五尺の身を滅ぼす」というのがあります。他人に向かって失 礼な事を言うのは、自分が偉くなったような気がするかもしれません。自己を主張する のも大切ですが、他の人の感情を傷つけ、翻って自分の身を滅ぼすことを戒めています。

 ネチケットの原則第1は、機械の向こう側には「生きた人間がいる」ことを忘れない ことです。

イラスト j99027 上條 三四郎 (1999)

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ルール2 コミュニケーションのレベルをわきまえる

 人と人とのコミュニケーションの手段として質的に最も高いレベルにあるのは、直接 顔を向かい合わせての対話です。次に電話を使った対話です。これは相手の表情が見え ないから質的には低下します。電子メールでは発言と同時に相手の反応が現れないから、 さらに質的に低下します。

 重要な事柄は直接合って話をするのが原則です。ネットワークコミュニケションの便 利さにとらわれてこの順位を取り違えると、逆に人と人とのコミュニケーションは阻害 されます。隣の部屋にいる人に、電子メールで一方的に用事を言いつけたり、時には批 判的な意見を書き送ったりして、相手を悲しませたり、憤慨させたりする事がときどき 発生します。
 また次のようなケースもあります。既に約束した大切な事を電子メールで簡単に取り 消す場合です。メールは「発言が一方的」だから、理由、事情などただちに聞けないこ とを逆に便利に使って事を済ませてはいけません。コミュニケーションは完結していな いのです。約束ごとの断りの連絡は最低限でも電話の手段を用いるべきです。相手に不 快感を味わわせてはいけません。

 ネチケットの原則第2は、「コミュニケーション手段のレベルをわきまえる」ことで す。

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ルール3 他人の時間と生活リズムを尊重しましょう

 「時は金なり」といいます。自分にとって大切な時間は他人にとっても同様に大切な のです。電子メールを送信したり、伝言板に書き込んだりして、多くの文字情報や画像 データを発信することは、すなわち他の人の時間を使うことです。ですからあなたには、 あなたのメッセージを読んでくれる人の時間が無駄にならないようにする責任がありま す。

 あなたが何かの作業に追われて大変忙しいことがあるように、あなたの送信相手の人 も同じように自分の仕事に追われて忙しいときがあります。だから、あなたの質問や要 求にに対していつもすぐに回答をもらえることを期待したり、相手があなたの伝言や相 談に必ず目を通すものとは思わないでください。

 あなたに時間がたっぷりあり、長い文書を書く時間が有ったとしても、受け取る側に 同様の時間があるとは限りません。ある有名大学の教授は毎日山のようなメールと郵便 物を朝受け取って、これらに全部目を通していると半日つぶれてしまうそうです。それ では本来の仕事が果たせません。あなたと同じ重要さで相手が見ていると考えるのは一 般的には見当違いでしょう。

 あなたの装置が備えているハード、ソフトともに同じものを相手も備えているとは限 りません。みんないろいろな条件下で動いており、単純には予想できない事情があるも のです。電子メールに大きな画像データを添付して、一方的に送り付けることはひかえ ましょう。多大な情報量を電子メールで(技術的に送れるからという理由だけで)送ら ないでください。情報量の大きいファイルは極力 ftp を使いましょう。やむを得ず送信 しなければならない場合は、相手の状況を聞いてから送りましょう。
 メールリストでは、送る側はたった1通であっても、受ける側は50人、100人と いうことがあります。たった1通のメールでも、それによって消費される時間は1人の 50倍、100倍となります。多くの人にとってあまり重要でない情報を、手軽に発信 できるからという理由だけで、発信しないようにしましょう。

イラスト j99029 川上 勇 (1999)
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ルール4 悪い印象を与えないようにしましょう

 自分の言いたいことを明確にし、相手にうまく伝わるようにメッセージの内容に注意 を払いましょう。自分が言わんとすることをはっきりさせておきましょう。言いたいこ とがさっぱり分からない場合もあります。難解な単語をたくさん使って誰かに感銘を与 えようとしたときよく起こるものです。そんな文章では感銘を与えることはできません。 文章は「シンプル」であることをもって尊しとします。

 ネットワークコミュニケーションでは気軽さという点が売りの一つです。しかし、こ の気軽さゆえに、根も葉もない情報がネットワーク上に流れる可能性があります。あな たが書き込んだ情報が全く違う形に変ってしまっているかもしれません。このことをい つも注意しましょう。

 また、挑発的な内容の投稿をしてはいけません。こういった内容の文章は、あなたの 人格やモラルが疑われてしまうことになるのです。感じ良く、儀礼正しくふるまいましょ う。

 なにより楽しく参加できることが大切です。ぜひあなたも協力して下さい。

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ルール5 専門知識を分かちあいましょう

 ネットワークコミュニケーションのよい点は、気軽さとユーザの数にあります。あなたは、 この中で自分の何かを提供し、そして他の人からいろいろなものを吸収してくだ さい。

 インターネットはもともと科学者が情報を共有しようとして創設され、成長してきま した。しだいにそれ以外の人も参加するようになったわけです。自信を持って自分の知 識を他の人たちと分かち合ってください。

 ネットワークの技術は人類共通の財産です。技術情報、知識の私物化はネットワーク 社会の発展を妨げてしまいます。みんなが必要である情報はできる限り、オープンにし ましょう。みんなで知識を分かち合うことは楽しいことです。これは長い間のネットワークの 伝統です。あなたもこの伝統に則って活用して下さい。

イラスト j99028 上條 由那 (1999)
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ルール6 他人のプライバシーを尊重しましょう

 ネットワーク上でプライバシーの問題に関係することは2つあります。1つは意識し ない内に他人のプライバシーに深入りしてしまう場合、もう1つは意識してプライバシ ーを侵害する場合です。

 前者の場合はルール2と関係しますが、発言のとき相手の表情やその時の状況などが わからないまま、一方的に文章を書き込むことができるから、時としては触れてもらい たくない事柄につい深入りしてしまう場合です。
 面と向かってはなかなか言えないことでも、打鍵の勢いで他人の心の奥底まで土足で 入り込むようなことを書き込んでしまう危険性があります。どんなに親しくても人間は 複雑な感情を持つ生き物です。こうなると逆にコミュニケーションは阻害されることに なるでしょう。このようなことを避けるために、このルールをいつも心に止めておきま しょう。

 もう1つは監視されていないと思いこむことによって発生する場合です。もちろんあ なたは友達の家の机の引き出しや押し入れの中を見てみようなどとは考えたことはない はずです。当然、無断で他人の持ち物を使ったりしないはずです。

 残念なことにネットワーク上ではそういう行為をする人がいるかもしれません。無断 で他人のアカウントとパスワードを使うようなことは絶対にしないでください。LAN 上のサーバー、インターネットサーバー上で不正なアクセスについて監視し、記録が採 れるようになっています。たぶんわからないだろうと思っても、時間をかけて分析すれ ば、結局は割り出せるものだということを忘れないでください。

   他人のプライバシーを尊重できない人はネチケットに反するだけではありません。も しそのことが発覚したとき、あなたは信用を失うことになります。

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ルール7 自分の力を乱用するのは止めましょう

 あなたが、他の人より多くの知識や優れた能力、あるいは立場を持った人でも、それ を自分の欲望や好奇心を満たすために乱用する権利はありません。

   システム管理をする人は他人の入力したものや、作品等を勝手に削除したり変更した りする権限を持っていません。システム管理者に限らず、こういったことのできるテクニックを 持った人の全てに当てはまります。

   自分の技術力をアピールするために、それを乱用することの最たるものはコンピュー タウイルスやサイバーテロです。これでどれだけ多くの人々が作品や制作時間を失って いるかわかりません。そしてその行為によって、人は失うもののみ多く、なにも産み出 しません。

 昔の人は「未熟の芸誇り」といって、自分の芸や、技術を乱用するのは未熟の証拠で あるとたしなめています。

イラスト j99029 川上 勇 (1999)
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ルール8 他の人のミスを許しましょう

 ネットワークに限らず、新しいシステムの利用者の誰もが始めは新米です。始めは誰 でも多くのミスがあります。たとえミスでなくても、インターネットや電子メールをた くさんやってきた人や、情報処理に優れた人にとってはイライラすることがあるかもし れません。

 そのなかで、あなたが誰かのミス(激しい意見であれ、ばかげた質問であれ、不用意 に長い質問であれ)を発見した場合は、やさしく対応してあげてください。ささいな誤 りであれば、何も言う必要はないでしょう。非常に気になるミスであっても、慎重に考 えてから行動してください。あなた自身のマナーがいくらよくても、他人を正す資格が あることにはなりません。

 一番最初に掲げたルールを思い出してみてください。この世に完璧な人はいません。 ミスをしてしまった人を、厳しく批判したりせず、以後同じ過ちをくりかえさぬように することが、その本人にとって、またネットワークコミュニケーションにとっても非常 にプラスになることだと思います。


このルールはマイクロソフト社のホームページ「ネチケット」ページに1996年に掲載されて いたものに従っています。ただし、ルールの数と番号、および説明文は1996年度長野大学 松原専門ゼミのメンバーによる検討をへて、日本国内にも学内のネットワークコミュニケーシ ョンにもふさわしい内容に変更しています。今後も改訂をしていきますので、ご意見をお寄せ 下さい。
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  文章は j94005 石坂 孝、j94013 内山仁悟、j94033 北澤一喜、
      j94111 星野 淳, j93087 竹内史雅,、松原邦彦 の合作による。
  Ver. 1.3 : 1997.3.10,  Ver 1.4 : 1998.3.1,  Ver 1.5: 1999.12.28
Ver. 1.6 : 2015.11.13
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